人、設備、道具、三位一体で伝統の三段仕込み。
酵母が十分に培養された「もと」は、仕込みタンクに移されます。蒸米と水が加えられて櫂を入れる醪づくりの工程の始まりです。
この仕込み法は、昔ながらの三段仕込みで、「初添え」・「中添え」・「留添え」と日を追って3回に分けて仕込むため、少しずつ増量していくので酵母を守る乳酸菌が薄まることのないよう優れた手法です。
さらに、雑菌の繁殖を抑え、発酵をスムーズに行わせる日本酒独自の技法。高品質な酒を生み出すために先人の智恵が生み出した方法で、高度な技術が求められます。
この間の醪の温度管理や状態に合わせた櫂入れが非常に重要だからです。
醪の状態は日々変化し、泡の状態も「筋泡」「水泡」「岩泡」「高泡」「落泡」「玉泡」「地」などと呼ばれ、さまざまな状態に姿を変えていきます。
奥の松にはさまざまな仕込み法を習得した熟練の蔵人がいます。
最新の設備をそんな熟練者が緻密に操作することによって技能は倍増。より高品質な酒づくりを可能にしました。
新型のタンクは丸型。仕込み温度を自由にコントロールできるとともに、タンク内全体に自然な対流を促し、理想的な発酵を実現しています。
人の技術と設備・道具を両輪となってはじめて、奥の松が理想とする酒質を創り上げることができるのです。